第10回 王霄峰先生の各種二胡(前編)

 ようやく春の足音が聞こえるようになって来たが、皆は元気にしておったかのう? ご存知アルフー老師じゃ。ワシも春の訪れを待ちに待っておったが、日本に来てからどうも花粉症を患ってしまったようじゃよ。ハックショ〜ン!!(泣) さて、前回は、大阪は高槻市に住む妖精のような可愛らしい先生に愛器を見せてもらったが、さらに濃いコレクターが東京におるとの話を聞きつけ、マスクを装着してキン斗雲を東へ走らせたぞ! 降り立った場所は、2008年に東京地下鉄副都心線が開通して便利になった「雑司が谷」駅近くじゃ。この街で教室を開講しており、名器を所有しているのは、二胡講師で演奏家の王霄峰(ワン シャオフォン)さんということじゃった。お会いすると、その渋い佇まいからは想像できない気さくなノリで、何とも軽快にこの爺をもてなしてくれたぞぉ〜! それにしてもこの王氏、冗談がとても好きなようで、爺と同郷とは思えないくらい日本語も堪能じゃったよ〜!(感心)
王氏は中国の北京市生まれで、6歳から、中国東方歌舞団首席二胡奏者で国家第一級二胡奏者である父、王全忠氏に二胡を学び、後に北京中央音楽学院教授である張韶氏に師事したそうじゃ。1987年に来日し、千葉大学文学部行動科学科(東洋哲学専攻)を卒業後、2000年より本格的なソロ活動を開始し、現在まで演奏・講師活動をされているということじゃった。そんな王氏に、普段の演奏活動において、メイン楽器として使用しておる二胡を紹介してほしいと頼んだところ、その日の気持ちや楽曲に合わせて楽器を選ぶとのことで、特にどれとは決めておらんということじゃった。幾つか紹介すると言われ、待っておると、次々に名器が出てくるわ出てくるわ!!(感涙)という訳で(苦笑)、一回では全て紹介し切れないため、次号とあわせ、前編・後編に分けて紹介させてもらうことにしよう。

製作者不詳 老紅木二胡全体

製作者不詳 老紅木二胡琴軸と棹

 

 
 

 

   

方冠祥精製 龍頭小葉紫檀二胡全体

方冠祥精製 龍頭小葉紫檀二胡琴頭

 

 
方冠祥精製 龍頭小葉紫檀二胡琴筒  
 

方冠祥精製 小葉紫檀二胡(90年代)全体

方礼明精製 黒酸枝二胡全体