弦、駒、弓など、二胡のハード面を徹底解剖!!
演奏、楽器製作、楽器調整、等のエキスパート達による共同執筆連載企画。
今回は前号に引き続き千斤を取り上げ、特に糸千斤の巻き方に焦点を当て、わかりやすく解説していきます。

「二胡之友」創刊記念キャンペーン!< 糸千斤の巻き方講習会のお知らせ >

創刊記念キャンペーン企画として「二胡之友」主催による、糸千斤の巻き方講習会を開催します。定期購読者の方は無料でご参加頂けますので、お気軽にお運び下さい。

日 時 :2011年6月17日(金) 1回目:15:00 〜 16:00 2回目:19:00 〜 20:00
参加料金:本誌定期購読者:無料 ※創刊キャンペーン中につき受講料サービス
一般受講者:\500
定 員 :各回15名様迄 ※先着順とさせていただきます。
場 所 :胡琴工房竹林閣( 東京都新宿区新宿5-14-3  有恒ビル6F)

メール・FAX・TELにてお申し込み下さい。
E-mail:info@nikonotomo.com
FAX:03-6457-8479
TEL:03-6457-4637

千斤の装着位置

 前回も触れましたが、千斤の装着位置には諸説あります。胴体に肘を載せ、腕を棹に平行に添わせて、小指のつけ根辺りに千斤を装着する方法。また、棹の長さや蛇皮の状態に合わせて、最も良い音色が出る位置を特定し千斤を装着する方法など、適切な千斤の位置を決める方法は、製作者や演奏者によって異なります。
千斤と棹との距離(幅)も確定的ではなく、一般的に20ミリ前後と言われていますが、皮の弾力や糸巻きの長さ、演奏者の手の大きさなどによって変化します。

 このように、千斤の位置や棹との距離については、楽器の状態などに左右されるところが多く、議論が絶えないところですが、今回は糸千斤の巻き方の例を、写真をまじえてご紹介したいと思います。

糸千斤の巻き方【例1】
比較的太い糸を使用する場合に適した巻き方です。
<使用した糸> 素材:ポリエステル 長さ:約60p
1.糸の端を棹の背面に縦方向(約2p)にはわせ、親指の腹で押さえます
2.糸をひと巻きして背面で交差させます
3.同じ動作を3回から4回繰り返します
4.糸の先端を下から上方向に通します
5.糸の先端を後方に引っ張ります
6.千斤を整えて余った部分を切り落として完成です
糸千斤の巻き方【例2】
一般的な糸を使用する場合に適した巻き方です。
<使用した糸> 素材:ポリエチレン 長さ:約150p
1.棹の側面で輪を作ります
2.親指の腹で輪を押さえます
3.棹に糸を時計回りに3回巻きつけます
4.3回巻きつけた状態
5.糸を弦の外側にまわしひと巻きします
6.再び糸を棹に1回巻きます
7.同じ動作を5回繰り返します
8.5回巻きつけた状態
9.再び糸を棹に2回ほど巻きます
10.糸の先端を輪に通します
11.糸のもう一方の端を下方向に引っ張ります
12.千斤を整えて余った部分を切り落として完成です
 今回ご紹介した糸千斤の巻き方は、数多くある方法の一部に過ぎません。ほかにも多くのヴァリエーションがありますので、手仕事が得意な方は、糸の締め具合を調整するなど、いろいろ試してみられてはいかがでしょう。
*次回は駒を取り上げる予定です。