皆さん、こんばんは。
今日は皆さんと一緒に素晴らしい一夜を過ごせることをとてもうれしく思っています。そして、私の講演と独奏をお聴きいただけることに感謝しております。
今日の講演の演目は、胡琴についてのお話です。胡琴というのは二胡と同じような構造を持った楽器の総称ですが、その簡単な歴史と、そして優れた作曲家の曲の中から選んで、現代までのいろいろな素晴らしい作品を紹介したいと思います。
二胡は一千年の歴史をもっていて、唐の時代からその痕跡が見られます。唐代の頃、中国の北方に奚という部落があり、歌ったり踊ったりするときに「奚琴」という楽器を使っていました。その頃は、今のように弓で擦って音を出すのではなく、竹片で擦っていたようです。宋代になって、音楽にも造詣が深かった沈括(しん・かつ)という人が、『夢渓筆談』という書物を書いたのですが、その中の詩に「馬尾胡琴」という言葉が出ています。そこから当時、馬の尾の毛を張った弓が使われていたことが分かります。
詳しい内容は本誌をご覧下さい。