紅木(コウボク)、老紅木の話です。
「これは老紅木です、と言われて買ったのですが...」と、ご自分の二胡を見せる方が多いです。
これは、難しい話です。何が難しいかと言いますと、最近ホントの紅木(マホガニー)、特にホンジュラスマホガニーで出来た二胡にお目にかかっていません。
確かに、サペリという木で出来たものは、あります。これはアフリカのマホガニーと言われるものです。
またマトワという木も、マホガニーと呼ばれることもあります。これらは所謂紅木(ホンジュラスマホガニー)とは比重が違います。軽いのです、導管が大きいので、良く鳴ります。
本紫檀と言われているマダガスカルローズなどと同じくらいに良く鳴りますが、油分が少ないものですから、多少重厚感に欠けるようです。
その他、私の見た中では、ブビンガという木でできた二胡も老紅木の二胡として売られています。
本来なら紫檀に属するチンチャンもアジアンマホガニーとして売られることもあります。手違い紫檀と呼ばれ、緻密で美しく、それだけでも超高級であるチンチャンでさえ、マホガニーとしての扱いをされるくらい、マホガニーというのは、別格の扱いをされる木なのです。
今ではワシントン条約で輸出入が制約されているにもかかわらず、かなりな数が密輸されるという材料でもあります。
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