ワシの名はアルフー老師じゃ。もう覚えてくれたかのう。名器を追い求めてかれこれ数十年、日本へ渡ってからは間もないのじゃが、前回は神奈川の濃すぎる二胡コレクターにいきなり出逢ってしまったのう。さて、今回は舞台を東海地区は愛知県に移すとしよう。愛知県名古屋市の緑区に、名器を所有している先生がいるという噂を聞きつけて遠路はるばるやって来たのじゃが、この先生が住む所は「東海道五十三次」の40番目の宿場町という歴史ある "鳴海宿"からほど近い街ということじゃった。先生の名前は大畑正幸氏ということで、今回も、こんな厚かましい爺を、にこやかに快く受け入れてくれたよ…(涙)
 最近新調したというグランドピアノが置かれた部屋で、普段は二胡のレッスンを行っているということじゃったが、大畑氏は、二胡の他にもクラシックギターを弾くそうで、ギターなんかも置いてあったのう。これだけでも、楽器好きの匂いがプンプンしてくるではないか…。良い状態で楽器を保つためには、多くの楽器があると面倒見切れないという理由で、二胡についても多くを所有しないというポリシーがあるそうで、大畑氏がレッスンや演奏活動で主に使用しているのは、基本的には10年ほど前に購入した老紅木二胡1本のみということじゃ。う〜ん、男らしいやり方じゃのう〜。では、早速、この老紅木二胡について、本人のコメントを交えて紹介させてもらうことにしよう。
李十三精製 老紅木二胡 李十三氏監修の刻印 飾り窓にも李十三氏の彫刻
蛇皮とデンペン 糸巻き付近、篆字の装飾