前号で、夏号の巻頭特集は「少数民族の音楽と二胡曲」と発表しましたが、過去記事を調べている内に、少数民族系の二胡曲を取り上げる前に、漢民族系で地方の特色をもつ二胡曲を先に取り上げるべき、と考え、テーマを変更しました。悪しからずご了承ください。
さて、その地方色ですが、今回は、嘗ては「秦」の国があった陝西省に伝わる音楽要素を取り入れ、高い芸術性をもつ二胡曲を創作し、さらに、新たな伝統を創出するまでに昇華した「秦派二胡」にテーマを絞ります。
「秦派二胡」の曲では、本誌第38、39号で「秦腔主題随想曲」、第40、41号で「迷胡調」の2曲を、「フリースタイル・アナリーゼ」で取り上げています。今回はそこで触れた「秦派二胡」の特徴や演奏技法などについての内容を踏まえた上で、別の視点から、その確立までの道を辿り、さらに、代表曲である「秦腔主題随想曲」の深掘りをしたいと思います。
(詳細は本誌をご覧ください)