「秦腔主題随想曲(しんこうしゅだいずいそうきょく)」(趙震霄・魯日融編曲)は二胡を学ぶ人にはよく知られている曲で、秦地方、即ち陝西省(せんせいしょう)一帯の独特な地方色を濃厚にたたえた名曲です。1963年の第四回「上海之春」全国二胡独奏コンクールという大きな舞台で披露されて大成功をおさめ、"秦派音楽"の代表作と称賛されました。この曲の背後には、長期にわたって蓄積されてきた、陝西省西部の特色をもった音楽文化があり、作品の中には、この地方の伝統音楽と文化意識が表れています。今や"秦派二胡"は創作、理論、教育、演奏の四つの面で発展を遂げていますが、二胡と地方音楽文化を結びつけることに成功したその経験、ノウハウは、さらなる進展も見せています。今回は、その"秦派二胡"を代表する人物の一人、魯日融・西安音楽学院教授から伺った、"秦派二胡"の過去、現在、未来についてのお話をダイジェストしてご紹介します。

魯日融(ろ・にちゆう)プロフィール (西安音楽学院学報より抄訳)
 1933年6月1日湖北省均県に生まれる。1949年5月、湖北省で文芸工作隊に参加、共産党の宣伝工作に従事する。1950年、漢中文芸工作団楽隊でヴァイオリン及び二胡の演奏員に就任。1951年、西北芸術学院(西安音楽学院の前身)に入学、油達民先生に師事して二胡を学び、作曲、指揮も修める。1954年、同校卒業後、教師となり、二胡、民楽隊(合奏課)指揮の指導を担当。その後、同校にて研究室主任、民楽系主任、副院長等を歴任。現在は西安音楽学院教授として大学院生の指導に当たると同時に、音楽界、教育界、芸術界の多くの組織で要職を務める。

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