新竹市立青少年国楽団(台湾)と日本の天翔楽団交流コンサート
 天翔楽団コンサートツアー密着取材レポート

 2012年2月26日、半年あまりの準備期間を経て、新竹市立青少年国楽団(以下「竹青楽団」と略)が日本の天翔楽団を新竹市に招聘しての交流演奏会がようやく実現した。2011年、竹青楽団は新竹城隍廟の支援のもと、日本からの招聘を受けて大阪、京都、岡山で東日本大震災のためのチャリティー・コンサートを行った。その際、天翔楽団にはコンサート会場との折衝から当日のスタッフの役割まで、制作面で力強いサポートをいただき、全公演を成功させることができた。この公演は日本の来聴者に深い感動を与え、ブームを巻き起こした。そしてこれを機に、竹青楽団と天翔楽団は友好関係を結んだのだった。今回は、新竹市の行政の指導のもと、竹青楽団が交流コンサートの企画を立案したが、その主旨は一つに、両楽団が共演するコンサートによって交流を図れば、より友情を深められる、また、日本の楽団の中国音楽に対する熱心さを新竹市の皆さんに聴いていただければ、深く感銘を与えることができる、というものであった。


天翔楽団 
2003年に「天昇楽団」として創立し、2008年「天翔楽団」に改名。大阪市を本拠に活動する日本人による中国音楽楽団。毎年秋に定期演奏会を開くほか、海外公演・学校公演・サロンコンサート・合奏体験など、さまざまな活動を展開。現在,陳紹箕氏(国家国楽団・高雄市国楽団・中華国楽会顧問)と劉宏軍氏(オーケストラ「天平楽府」代表)を顧問に、また音楽総監督・指揮として井上康夫氏を迎え、中国音楽をより多くの人に親しんでいただけるよう活動中。

新竹市立青少年国楽団
1993年、民族伝統音楽の振興と青少年の情操教育を目的として創立。これまでに多くの優れた人材を育て、現在、中・高生を中心に80名の団員を擁する。団長は洪雪艶氏、指揮は1997年より劉江濱氏が務め、プロと同様な訓練とオーディション・システム等によって常に演奏水準の向上をはかり、高く評価されている。近年は閔恵芬等の名演奏家を招いて名曲を演奏する「大師與経典」シリーズのコンサートを成功させている。また、2009年西安、太原、2010年北京での「華夏楽揚両岸情」コンサートツアーでは大陸と台湾の民族音楽の文化交流推進に寄与した。2011年8月、東日本大震災で被災した日本を訪れ、大阪、京都、岡山でチャリティー・コンサートを開催、日本の聴衆に「台湾から、爽やかな風が吹き寄せた」との印象を深く刻んだ。



リハーサル風景(上:天翔楽団 下:竹青楽団)
ステージ風景(上:天翔楽団 下:竹青楽団)
竹青と天翔のメンバーが並んで『豊年祭』を合同演奏

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